株式会社ヤマックス

物流・倉庫コラム

Vol.29 ある日のフォークリフトオペレーターの一人

マンションの引越し日、荷物をスイスイ運んでくれるプロの作業員さんを見て「同じ動きなのに、自分がやるとなんでこんなに大変なんだろう」と感じたことはありませんか?

倉庫にも、そんな「運びのプロ」がいます。それがフォークリフトのオペレーターです。

今回は、そんな一人の一日をのぞいてみましょう。

※この一日は、倉庫でよくある流れを基にしたイメージです。会社や現場によって時間帯や内容は異なります。

   

8:00 まずは朝礼と「車の健康診断」

出勤したら、まず朝礼で今日の作業予定や注意点を確認します。

そのあと欠かせないのが、フォークリフトの始業前点検です。タイヤの状態、ブレーキ、ライト、フォーク(荷物を持ち上げる爪)に傷がないか、油や水漏れはないか。

人間でいう朝の健康チェックのようなもので、ここを丁寧にやることが、一日の安全を左右します。

   

最初の大仕事は、到着したトラックからの荷下ろしです。

パレット(荷物を載せる台)の下にフォークリフトを差し込んで持ち上げます。繊細な動きで、一つひとつ状態を見ながら慎重に動かします。

倉庫の棚は、ビルの数回分の高さになることもあります。そこへ荷物を載せたまま、ミリ単位の感覚でピタッとおさめます。

高い本棚の最上段に重い辞書を置くようなものですが、相手は数百キロの荷物です。まさに職人技といえるほど器用で緊張する場面です。

   

お昼はしっかりと休んで体と頭をリセットします。フォークリフトは、ほんの一瞬の気のゆるみが事故につながる機械です。

だから休憩も、安全に働くための大切な仕事の一つなのです。

午後は、出荷する荷物をトラックの荷台へ積み込みます。

狭い荷台の中へまっすぐ入れるのは、難しいですが、難無くこなします。

作業が終わったら整理整頓して、日報を書きます。

「あの棚から荷物が少しはみ出していた」といった小さな気づきの共有が、翌日以降の事故防止につながります。

   

安全のために意識していること

  • 歩いている人がいないか、こまえに確認する
  • 見通しの悪い角では、一度止まるか速度を落とす
  • 荷物を持ったまま走るときは、できるだけ低い位置を保つ

車の運転でいう「かもしれない運転」と同じで、誰かの家に届いたりします。

お客様と直接顔を合わせる機会は少なくても、「あの荷物は自分は積んだ」と思えることが、この仕事のやりがいだといいます。毎日同じように見える作業も、一つひとつが「きちんと届く」ことを支える土台になっています。

   

乗用車は前輪で向きを変えますが、多くのフォークリフトは後ろの車輪で向きを変えます。

そのため、曲がるときに車体の後ろが大きく外へ振られます。ショッピングカートを後ろから押して方向を変える感覚に近く、慣れるまではコツが必要です。

オペレーターは後ろ側の動きまで頭に入れて運転しています。

   

まとめ

フォークリフトのオペレーターは、重い荷物を安全に、正確、素早く運び続ける「倉庫の運びのプロ」です。

何気なく受け取っている荷物の裏側には、丁寧な点検と繊細な運転技術が積み重なっています。