株式会社ヤマックス

物流・倉庫コラム

Vol.26 「クロスドッキング」でスピード物流を実現する仕組み

駅での乗り換えをイメージしてみてください。

電車を降りたホームのすぐ向かいに、乗り換えたい電車が待っていて、荷物をいったん家に持ち帰ることなく、そのまま乗り換えられたら、とても効率的ですよね。

実は物流の世界にも、これとよく似た考え方があります。それが「クロスドッキング」です。

   

クロスドッキングとは、倉庫に届いた荷物を、いったん棚に保管することなく、別のトラックへそのまま積み替えて出荷する仕組みのことです。

通常、倉庫に届いた商品は、いったん棚に収められ、注文が入ったタイミングで取り出されて出荷されます。

しかし、クロスドッキングでは、この「保管」の工程をできる限り省き、届いた荷物をすぐに仕分けして、別のトラックと積み替えてしまいます。

   

   

「同じホームでの乗り換え」とイメージすると分かりやすい

先ほどの駅の例でいうと、通常の物流は

「電車を降りて、荷物をいったん家に持ち帰り、必要なときにまた駅まで持っていく」ようなイメージです。

一方クロスドッキングは、

「電車を降りたホームの反対側に、乗り換え先の電車がちょうど停まっていて、そのまま乗り換えられる」ようなイメージに近いものです。

荷物を倉庫の奥深くにしまい込むことなく、入ってきた入口から出ていく出口まで、最短ルートで通り抜けさせることが目的です。

   

なぜクロスドッキングが注目されるのか

荷物をいったん棚に保管すると、その分「保管スペース」や「取り出す手間と時間」がかかります。

クロスドッキングを活用すれば、子の保管の工程をカットできるため、次のようなメリットが生まれます。

  • 荷物が倉庫に留まる時間が短くなり、お客様の手元に届くスピードが上がる
  • 棚に保管するスペースが不要になり、倉庫をよりコンパクトに運用できる
  • 荷物を何度も持ち上げたり移動させたりする回数が減り、作業の手間が省ける

特に、賞味期限が短い食品や、季節性の高い商品、あらかじめ注文確定している商品など、「すぐに届けたい」荷物と相性が良い仕組みです。

   

クロスドッキングにも工夫が必要

ただし、入荷するトラックのタイミングが合っていなければ成立しません。

そのため、事前にどの荷物がいつ届き、どのトラックに積み替えるのかを綿蜜に計画し、情報をリアルタイムで共有できる仕組みが欠かせません。

駅の乗り換えと同じように、「タイミングの精度」が成功のカギを握っているのです。

   

   

もともと第二次世界大戦中のアメリカ軍が、前線へできるだけ早く物資を届けるために編み出した手法がルーツだといわれています。

その後、1980年代にアメリカの大手小売業がこの手法をいち早く取り入れ、店舗への商品補充を高速化したことで、一般の物流業界にも広く知られるようになりました。

   

まとめ

クロスドッキングは、荷物を「いったん止める」のではなく「流れるように通過させる」

ことで、スピードと効率を両立させる仕組みです。

駅での乗り換えのように、絶妙なタイミングの連携によって支えられている、縁の下の工夫のひとつといえるでしょう。